そして〜2021.3.11〜SDGsホヤが全国へ展開
2020/12/30に相談を受け、年明け2021/1/4には現地を訪れ、
1月中に3事業所を現地へ紹介し、施設外就労に入ってくださいました。
ホヤの流通に関してはイオン3社が3月11日の10年の節目から一斉販売することが決定し、時間があまりなかったこともあり、
みなさん地域の産業の再興のためにとの心意気で協力してくださいました。
連携当時
・就労継続支援B型 星雲工房さん
・就労継続支援B型 ポプラさん
・就労継続支援B型 エクセルシオールさん
・気仙障がい者就業・生活支援センターさんのバックアップで就職活動中の方々
から毎日15人程度が現場に入っていただき、多い時で30人が現場で作業していました。
そして無事に3.11イオン東北一斉販売を迎え、障がいのある方々で支えた剥きホヤが各地に飛び立って行きました。
その後の実績は以下の通り。
施設外就労だけではなく、そこからの就職に繋がった方も
障がい者雇用としてのチャレンジの受け入れを柔軟にしてくださったことから多くの方が就労の機会や体験を得ることができました。
このようにお金を稼ぐということや就労意識、そしてどこまでできると雇用につながるかを明確に分析、評価として、
三陸ラボラトリさんの取り組みをサポートしました。
障害のある方々との連携を通じて
はじめは、産業の持続化に向けて、ホヤに新たな付加価値をつけること、SDGsを考えた展開において、
障がい者アートを通じた福祉との連携、商品化でスタートしましたが、スタートしてみての新たな課題、現場での人手不足、
この課題に関しても、福祉との連携から、加工現場にまで、障がい者雇用や福祉就労連携といった形で、
「水産×福祉」の広がりを得ることができ、さらには産業持続化のかけがえのないパートナーシップになりつつあります。
三陸ラボラトリ佐々木和也さんはこう話します。
「現場を通じて様々な障がいのある方々との関わりを持って、1人1人の作業精度の高さや、
【真面目さ、素直さ、集中力】をほとんどの人が持っていることに驚かされ、産業を支えるに十分な労働力であることがわかりました。しかし、同時に【自発的に、気付いて、考えて、行動する】ことが苦手なこと、それぞれの障がいや個別性への配慮が必要なことも知り、会社としても考えさせられることが多々あり、ただ現場を管理しようとするだけでは、みなさんに対し、円滑に作業をしていただくことをサポートすることは難しいことにも気がつきました。」
「現場において、皆さんが仕事に合わせることだけに拘らず、【皆さんに仕事を合わせること】を大事にしました。その中でペースより丁寧さや分業での大事なポイントを押さえてもらうことを学んでいただきました。作業工程を、1所完結ではなく、分業することで1人1人のレベルに合わせて作業を割り振ることができ、無理のない範囲を見極めながら、いろいろな作業を覚えてもらうことができたと思います」
「その結果として、施設外就労としてきていただいた方々全員に作業をしてもらうことができるようになり、現在まで各B型事業所へは参加する利用者の条件を提示したことはなく、来た人全てに何かしらの作業をしてもらうことが実現できています。その中で作業を覚え、一通りの作業をこなせる方ができ、その中から雇用を目指したい方に関してはB型事業所や障がい者就業・生活支援センター、ハローワークとの連携のもとチャレンジする場を提供し、結果としてステップアップで障がい者雇用にまで繋がりました。今後も水産×福祉において、様々な連携を模索していきたいと考えています。」
そう語る佐々木さんの目は新たな水産の未来を見据えています。
ノウフクアワード2022チャレンジ賞(水産では初)の受賞
これまでの取り組みの2年間をまとめ
みらい創造財団朝日のあたる家ではこの取り組みを全国へ知ってもらうべく
ノウフクアワードへの応募をサポートし、申請の執筆、ストーリーをまとめるお手伝いをさせていただきました。
そして、見事チャレンジ賞を受賞、みなさんの活動と現場を全国へ届けることができました。
農福アワード2022 チャレンジ賞受賞 三陸ラボラトリの支援
・ノウフクアワード2022受賞団体
・ノウフクアワード2022受賞団体の取り組み事例
・三陸ラボラトリHP
まだまだ可能性のある水福連携
今回はホヤにまつわる再興のストーリーでしたが
三陸の沿岸ではワカメやホタテや、まだまだ人手不足や担い手不足の課題があります。
水産業の持続化のためのパートナーシップとしては、障がい福祉だけではなく、高齢者福祉や若者の福祉との連携もまだまだ可能性を秘めています。
そして、その産業課題や環境問題もまだまだ知られていないこともあります。
みらい創造財団朝日のあたる家では引き続き、産業支援として
様々な現場とストーリーを広報していきたいと考えています。
これからの「みらい」を支えるために
文:鈴木 拓